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コラム

会長インタビュー#2:お客様のために駆け抜けた、成功までの仕事魂

はじめに

「株式会社フルハシ(オリジナルパッケージ.com)」を創り上げた、創業者の会長:古橋敬互氏(現在86歳!)のインタビュー2回目です。今回は現在の会社の形になるまでの企業努力や会長のパッケージ、仕事に対する熱い想いを伺いました。

※参加者は株式会社フルハシ(オリジナルパッケージ.com)より、古橋敬互会長、森、糸魚川、聞き手を株式会社マインドファクトリーの中西様にお願いしました。

フルハシの特徴と成功への架け橋

森:私たちが入社する以前だと思いますが会長はどのようなパッケージを手掛けられたんですか?

会長:会社でしたことはね、結局ね。今でいうね大きいパッケージの会社…

頭を抱える会長、サポートする森さん

(なんだったかなぁと頭を抱える会長。森さんのサポートが微笑ましい。)

森:ひょっとして株式会社シモジマさんですか?

会長:あ、そうそう。シモジマさん! 歴史もあるけど、あそこはすごいんだよ。

森:シモジマさんに負けないようにと思って頑張ったってことですか?

会長:勝ち負けじゃないわね。いっぱい協力してもらったの。気持ちでは追いつけるように頑張ろうとは思っても、負けないように頑張ることを考えてやっとったらこっちが潰れちゃうわ! 倒そうとか負けないようにとか、相手に対してあまり敵対心を持たないこと。気持ちで言ったらね、そりゃライバルはいっぱいいるよ。我々の時代は昭和30年〜38年くらいでさ、高度経済成長期の頃でみんな頑張っとったんだわ。その後にバブルでしょう。独立していった2人だって強烈なライバルになるわけだ。気にしておったらキリがないし、まぁ自分が一生懸命やっておれば敵対心はそう出てこないわ。

中西(マインドファクトリー:以下 マ):そんな中で、株式会社フルハシとして作った代表的なパッケージってどんなものがあるんですか?

森:会長が考案したロングセラーなパッケージがいくつもありますよね。

会長:あ、結局ね。うちは大きなものを作るとかできなかったから、1つできたら5軒、例えばあなたが「赤い袋が欲しい」って言ったら同じように欲しがるところがないか5軒は探して、それが増えたら既製品にして販売をさらに広げていくって感じだわ。

糸魚川:要望があったものを作ると。

会長:そうそう。同じこと言われた時に、量じゃなくてそういうニーズの市場を開いてきたことはフルハシとしての事実だね。

だけど、会社としてやってきたことは、結局ね、うちが一番成功したのは「ガゼット袋*」だね。マチのある箱っぽく使える袋なんだけどさ。今は当たり前にあるけどね、早くからうちで作って既製品として販売したの。

中西(マ):なぜ早くから既製品で取り扱うようになったんでしょうか。

会長:それまでお客さんのところを回ってニーズに応えてきたでしょう。だから「これは来る!」っていうのがあってね、今じゃ当たり前にあるけど、当時は発注して作らないかんかった。そうすると量を作ることになるでしょう。うちは量じゃなくてニーズに応えてきたから、少しでも欲しいものを届けられるようにいっぱいガゼット袋*のサイズを揃えとったんだわ。それが追い風となって、ひとつの特徴となって出てきたね。

森:そのガゼット袋*一つにしても、会長がお客さんのところに回って欲しいサイズを聞いて、一つひとつ作ってこれだけの展開になったんですよ。(当時のカタログのサイズ表を見せながら)

*ガゼット袋:マチがあり箱型などの立体物が入れやすい形態の袋

これがすごくいろんなところに出てよそも同じサイズで当たり前に作ってますけど、ここまで徹底的に、一番最初にやったのが会長だったんですよ。

会長:こんなものは売れるとわかったら、簡単だからみんなやるの。でも量がここまで売れるというのはなかったからね、それと一緒に売れそうなものは既製品にしてきたわけ。そういうのをオリジナルとして出してきたものは割りにヒットしてきたね。

今でもおかげさまで遠方のお客様に長きに渡って買っていただいて、ありがたいよ。それに元々大口でやってなかったもんだから、「フルハシなら小口でもやってくれるぞ」というのが口コミで広まってね、これが原点だね。

森:これを会長が作って、今では考えられないんですけど、1ケースに4000枚、5000枚って入ってるやつを、100枚でも500枚でも欲しいっていうお客さんに売っていたんですよ。お菓子メーカーさんがたくさん集まっていた名古屋市近辺で広く知れ渡って使っていただけることが多くなりましたね。

会長:まぁあとは金がないもんだからね。尊いお金を備蓄しながらこれたけど、最初は大変だったんだわ。それからもう一つ大きかったのが、ユニーさんだね。毎月まとまった額の売上があったでね。あれは重役さんに恵まれたよね。僕がアパートでやっとる時から、可愛がってもらってね、他との金額を相談しながら努力して少しずつ大きくしてったね。そう難しいことじゃないんだけど、あんまり難しく考えるとね、神経質になりすぎて自分が見ている事がわからなかくなっちゃうでね。軸はぶらさずやっていくだわね。

成功の秘訣、コンスタントに売れるものを作る

森:会長が心血を注いだ企画で、ひな祭りのパッケージがありますね。今、改めて見てみると古き良き伝統を感じるパッケージだと思います。全国のいろいろな売り場で取り扱って頂きましたね。

会長:これはね、カレンダーから考えたの。カレンダーがなくならないように、イベントもなくならないでしょう。ひな祭りとか、鯉のぼりとかね。それに間に合うように色々作ってみて、お客さんに100枚でも1000枚でも売ってきて、よかったものを展開して広げていったの。

森:会長、このシールも思い出がありますね。(座敷の面子シールを見て)

シールについて熱く語る会長

会長:これはね、京都に行って雑誌にこれがでとったの。雑誌に出ていたものを応用して、「おひな菓子」のシールとして商品化したの。そういうことは、見て歩いていると参考になることはたくさんあるわけ。

森:会長はいつもアンテナを張り巡らせていて、普通に何気なくサラッと見過ごすようなこともピンと来るんですよね。このシールひとつ取ってもただピンクとグリーンのグラデーションが入っているだけかと思ったら大間違いで、京都で何かを見てヒントを得て作ったんですよね。かれこれ30年以上前ですか?

会長:もっとなるな。

一同:へ〜〜〜!

会長:50年くらいじゃないか?

森:今でも毎年2万枚、3万枚と売れているんですよ。

会長:なんでも応用だわ。僕は読み書きとか計算とか得意じゃないしね。見て歩くのが好きでさ、旅行とか。その時だけはまぁよく見て歩いとるね。その遊びの中から自分の得意なことに活かせるように応用していきたいなというのが、僕の本当の原点だね。

全てはアイディア一つで変えられる

中西(マ):どれもそういった想いが反映されているとは思いますが、特にその想い入れが強い商品はありますか?

森:これは画期的だったんじゃないですか?

会長:これは段ボールで作ったね。

中西(マ):え? これ段ボールなんですか?

鯉のぼりのパッケージを手に取って見せる森さんと会長

森:段ボールなんですけど、段ボールって波打っている紙と通常の紙に挟まれているじゃないですか。その通常紙を片面だけ貼らずにわざと表に波を出したまま、それを利用してデザインにしているんですよ。アイディアですよね。

中西(マ):そういうことか〜! 元々あるものに色をつけているってことなんですね。

森:そう! 段ボールとしてサンドイッチされている紙を貼らずに色を塗って、2色展開して目玉を貼ったらどうだろうかと、会長がどこかから気づいて持ってきてくれたんですよね。

糸魚川:お〜〜〜! すごいアイディアですね。面白い!

会長:色もさ、ただ青や赤にするんじゃなくて、ちょっと落ち着いた感じとかね。普通にあるものをいかに特徴を出してあげるか、そういう遊びが売れるとね、また楽しくて自信にも繋がるしね。

森:これは何十年前でしたっけ?40年前?

会長:そのくらいだったかねぇ。こういうのを少量でもさ、うちの商品入れたら「楽しくなった」とかお客さんに喜んでもらえたり、そういう言葉がもらえる事が何より僕の励みだったね。そう欲張らんと赤字にならないように試行錯誤して色々出していくっていうのが経営の大事なことだね。でもね、簡単なんだわ。あんまり難しくないし、難しく考えないの。普段からよく見て、うちで商品化できるものはないかなって探すの。うちはパッケージとして商品を魅力的にしないかんでしょう。自分が「お!」と思ったものは、魅力があるからそう思ったわけだ。その原因が何か探すんだわ。それが人生の楽しみみたいなもんでね、僕はそれがすごい楽しかったんだね。

中西(マ):確かに、会長すごく楽しそうですもん。(一同笑顔に)

会長:そういう意味ではね、仕事っていうのは全然苦しいということはないの。そりゃお金の面では苦しいこともいっぱいあるよ。銀行行っても貸してもらえんくて頭抱えたりとかさ。そんなことを乗り越えてるから、銀行も簡単には変えないし、どこも付き合いが長くなっていくわね。

フルハシの特徴になった商品の誕生秘話

中西(マ):そう言った仕事する中で、一番売れて嬉しかったパッケージってありますか?

会長:売れて嬉しかったというより、うちの特徴になっちゃうけどね、もちろん普通にやるやつもあるけど、特長を出さなきゃいかんでしょ、パッケージ屋としてね。だで、先ほども言ったようにカレンダーにあるようなもの、おひなさんとか、鯉のぼりとか、自分達が潰れないように細かく売り込むことが大切だと思ってる。結局、どれが売れても嬉しいのよ。小ロットでもいい、仕事を始めて、誰かがうちの商品で喜んでまた買おうと思ってくれた時に、会社や商品が無くなっていることが一番困るのね、だから潰れないように、必ず売れる物を作って、それを特徴づけて守っていくことが大切だし、それができていることが嬉しいね。

中西(マ):それに付随してこういったシールも作っていったんですか? 何がきっかけでこうした付属品も始めたんですか?

会長:これはもうだいぶ前から始めてるね。30、40年どころじゃないね、もっと前から取り扱いをしている。シールは元々やっていたし、これも売れるように一時期めちゃめちゃやったんだわ。お菓子屋さんを対象に始めて、なんでもいいからこれなら売れるだろう、あれなら売れるだろうと必死に作ったんだわ。もちろんコスト的にも失敗しても大丈夫という範囲でだけどね。ただ、自分がみてこれなら売れるだろう!これは売らないかん!と思うものは売る、それだけだて。

中西(マ):最初はこう言ったものも全部会長がデザインしたんですか?

会長:これはね、デザインは今でも社員の子がやってくれるわ。それをみて僕がこうやったらどうだ、こっちがいいとか言って提案することもある。

森:この「味ごよみ」っていうシール、これは会長が商標登録したんですよね。

会長:そうそう。「味ごよみ」はねぇ、結構良かったんだね、作ってからすぐに登録したんだわ。誰でも簡単に何千枚もできちゃうわけだからね。抑えるところはきちんと抑えてお金に変えることはしないかんね。

糸魚川:いっぱい真似されましたもんね。笑

会長:そうそう、いっぱいあるよ。でもそれを争う気持ちはないの。本当はね。忠告できることもあるけど、そのくらい真似されて売れるということは、自分のアイディアとかに自信がつくということを人生として争うのではなく、仕事としても、パッケージとしても、自分の経験として非常に恵まれたことだなぁとこんな喜びはないよね。儲かる儲からんとかももちろんあるけど、そういう喜びの方がね、ありがたいと思う。

中西(マ):確かに、そういう気持ちの方が残りますもんね。

会長:モノマネされるくらい、いいものを作ることが大切だなと思う。まぁそれによってこっちも争っていくということは僕はあまり考えていない。

糸魚川:本当に、色々ありますよね。

会長:ま、そういう面白さはよくみて、考えて、自分なりにね。量じゃないんですよ。僕の考え方は、1枚が1件あったのが5枚とかに増えてくれればね。ま、今はそんなにも売れなくなっちゃったけどね。ははは。

#2 まとめ

今回も様々な秘話を教えてくださった古橋会長。当時はシールやラベル一つ作るにも、商標で管理されていて、現在のように簡単に作れず苦労したそうです。そんな中、沢山のシールやラベルを既製品でも揃えている「株式会社フルハシ」のパーツは袋と一緒に思わず買いたくなるアイテムだったんでしょうね。

インタビュー中、目をキラキラとさせて、商品一つひとつをとてもハキハキと話される会長がとても素敵でした!

次回は最後のインタビュー記事です。経験しながら学んでいく会長の素晴らしい姿勢と、パッケージを通して過去・現在・未来を見つめる社訓のエピソードなど、最後まで会長の会社愛を感じられる内容になっています。お楽しみに!

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