パッケージの基本①:パッケージの第一選択肢「OPPパートコート袋」って何?
パッケージ作りに欠かせない袋ですが、その種類はさまざまで、初めてのパッケージ作りではどれを選んだらいいのかわからないということもあるかもしれません。その中でも「OPPパートコート袋」はコストが安価で、パッケージ作りを考える際に最初の選択肢として挙げられることの多い、パッケージの基本です。
今回は、そんなパッケージの基本とも言える「OPPパートコート袋」について詳しくご紹介します。また、こちらの記事はパッケージの基本知識として3本シリーズでお届けします。
※パートコートが使われるフィルムのほとんどはOPPのため、ここではOPPを前提としています。
OPPパートコート袋とは
OPPとは、二軸延伸ポリプロピレン(Oriented Polypropylene)という名称のプラスチックフィルムです。OPPで作られた袋の上の部分(パート)にのりを印刷(コート)した袋をOPPパートコート袋と言います。
OPPフィルムは熱で溶着できないため、フィルムの内側にのりを印刷することによって袋の口を閉じます。パートコートは、OPP袋の口をきちんと閉じるために必要不可欠です。
またパートコートには、水性と油性があります。どちらも粘着強度にほとんど差がなく、見た目にも違いがないことから使い分けることは特にありません。しかし近年は大気汚染の原因となるVOC(揮発性有機化合物)の発生が抑えられるなどの理由から、環境に配慮して水性が使われることが多くなってきています。
OPPパートコート袋のメリット
OPPパートコート袋は昔からある優れたパッケージです。直接お菓子を入れて使用することはもちろん、小分けに入れられた袋菓子をまとめる外装としても使用されます。ここでは、その魅力的なメリットをご紹介します。
誰でも綺麗に開けやすい!OPPパートコート袋のシール強度
OPPパートコート袋はきちんと閉封できるシール強度があり、それでいて簡単に綺麗に開けられるという特徴があります。小さなお子さんなど、それほど力のない方でも開封できます。
コストパフォーマンスが良く、透明性の高いパッケージ
OPPフィルムには、ハリとコシがあり、高い透明性と光沢感があります。パッケージにすると中に入れた商品を艶やかに見せてくれます。ラミネートされたフィルムは機能性は高いものの、層を重ねるため、どうしても透明度が下がってしまいます。高い透明性はOPPフィルムならではの見栄えです。
またOPPフィルムはラミネートなどがされていないシンプルな1枚構造のフィルムのため、コストも安く済みます。
そのため既製品パッケージの選択としても、オリジナルで製作するパッケージの入門編としても、商品をきれいに見せながらコストを抑えるパッケージとして、最初にOPPパートコート袋を検討されることが多くあります。
防湿性があり、乾き菓子に向いている
OPPフィルムには防湿性の機能があるため、湿気の影響を受けやすいせんべい、あられなどの乾き菓子全般に向いています。石灰やシリカゲルなどの乾燥剤を一緒に使用することでより防湿性を高めることができます。
OPPパートコート袋のデメリット
見栄えやコスト、防湿性など様々なメリットがあるOPPパートコート袋ですが、デメリットもあります。メリットとのバランスを見て、パッケージとして使用可能か検討しましょう。
高い機能性は求められない
OPPフィルムには防湿性があるものの、パートコート部分から空気が行き来してしまうため、完全に外気と切り離すことはできません。そのため脱酸素剤を使用したい場合はガスバリア性のあるパッケージを選択しましょう。
寒さに弱い
OPPフィルムは寒さに弱いというデメリットがあります。寒さでフィルムが硬化してしまうため、しなやかさがなくなり、耐性が弱くなります。そのため輸送中にパートコート部分が剥がれて袋が開いてしまうことがあります。
重量物は入れられない
OPPパートコート袋はラミネートされたフィルムほどのシール強度がなく、衝撃や重力などによって簡単に開きやすいことから底抜けが懸念されます。そのため重量物を入れることはできません。
しかし、パートコート部分の幅を変えることでシール強度を少しだけ上げることができます。オリジナルパッケージ.comでは、基本1.5cm幅のところ、2.0cmにすることもあります。のり部分が大きくなるので、パッケージデザインの考慮は必要ですが、幅を変えるだけで多少の強度が生まれます。
ただし重量物を入れる場合は、機能性に関係なくOPPパートコート袋を選択肢から外す検討をしましょう。フィルム同士が溶着するラミネートフィルムのパッケージを選ぶことをおすすめします。
パートコートのパフォーマンスを保つ温度管理
パートコート部分はしっかりとくっつけようと熱温度を上げ過ぎたり、長時間熱をあてると、フィルムが縮んでしまったり、波を打ってしまうなどの現象が起きてしまいます。シール強度を出すためには適正温度があり、その温度の頂点を超えてしまうと、今度はその頂点を境に強度が下がってしまうのです。
パッケージの口を閉める場合は、熱シールをする機械の温度調節を見直すだけで、綺麗に、パートコート部分がしっかりと溶着できるようになるかもしれません。
OPPパートコート袋のバリエーション
オリジナルパッケージ.comでは合掌袋とガゼット袋のパートコート袋をご用意しております。合掌袋は40、50、60ミクロンの3種類の中からお選び頂けます。
40ミクロンは薄くてしなやかさがあります。50ミクロンは程よいコシとハリがあり、3つの中で最もメジャーで商品が綺麗に見えやすい人気の袋です。高級感を出したい場合は、しっかりとした手触りになる60ミクロンががおすすめです。持った時の重さはもちろん、他の2つと質感が全然違うため、商品をより良く見せたい時に選ばれます。
ガゼット袋は定番の50ミクロンの厚さのみですが、サイズは豊富に展開しています。
印刷もできるOPPパートコート袋
OPPパートコート袋は、表面(外側)もしくは裏側(内側)に印刷が可能です。個包装されていないお菓子を入れる時はインクが直接触れないように、外刷りにする必要があります。外刷りの場合、擦れなどでインクが剥がれる可能性があります。また、製袋の時にシールをする部分(袋の上下や背貼り部分)は、熱でインクがはがれてしまうこともあるのでその部分は印刷を避けた方が安全です。
安価な反面デメリットもあるので近頃はパートコートの印刷袋は減少傾向にあります。オリジナルパッケージ.comではパートコート印刷袋の取扱いもございますので、用途に合わせて選んで下さい。
パートコートOPP袋で手軽にオリジナルパッケージを作ってみよう
パッケージ作りの基本となるOPPパートコート袋。パリッとした光沢とコシがあり開けやすい反面、寒さに弱いなどのデメリットもありますが、コストも安いため最初の選択肢としてとてもいいパッケージです。
透明の袋が多くあるからこそ、このOPPパートコート袋からパッケージへの理解を深めてもらえると嬉しいです。
オリジナルパッケージ.comでは、創業60年以上の経験からお菓子にぴったりなサイズを既製品でも多く取り扱っています。お気軽にご相談ください。