パッケージのプロが選ぶ! お洒落なクラフトパッケージデザイン
近年よく見るようになったクラフト紙素材の商品。ストローなどはもちろんですが、化粧品のパッケージまでクラフト紙になっていたことには驚きました!
この背景はSDGsの取り組みにあります。日本では「2030年までに使い捨てプラスチックを25%削減」という目標が掲げられており、様々な企業がその取り組みとしてパッケージを紙へ変更しています。また、パソコンやスマートフォンなどのIT機器にふれることが多く、紙の持つ温かみや、優しい触り手触りが現代人に合っているという見方もできます。
今回は、創業60年以上のパッケージ屋が選ぶ、お洒落なだけじゃない、各企業様の想いが乗ったクラフトパッケージを紹介します!
クラフト紙ってどんな紙?
クラフトパルプからつくられた包装用紙です。強度、防湿性、印刷適性、加工適性に優れていることが特徴で、重量にも耐えられる紙袋として、セメントや肥料、デンプンなど産業用資材の包装に使用されるほか、米袋やガムテープなどにも広く用いられています。
クラフト紙の色味は繊維の自然な色味です。そのため、リサイクルされた紙だと思われがちですが、実際は新しいものが使用されています。
ちなみに白いクラフト紙もありますが、それは漂白されたものでクラフト紙本来の強度はありません。洋服店などの紙袋として利用されることが多いです。こちらも新品の繊維が使用されています。
パッケージのプロが選ぶ、おしゃれなクラフトパッケージ
そんなリアルな状況とは裏腹に、クラフト紙のパッケージ使用は、私たちに自然とエコや環境改善に協力しているという優しい気持ちを抱かせてくれます。これはSDGsの考えから「脱プラスチック(以下、脱プラ)」に働きかけているためです。
様々な考え方があるクラフトパッケージですが、今回は「脱プラ」という良い面にフォーカスを当てました。デザインはもちろん、企業の商品に込められた想いや背景から、誠に勝手ながらクラフト紙を使用した理由を考え、素敵だなと思うパッケージを選ばせていただきました!
オリジナルパッケージ.comでもお客様とパッケージを作り上げる時に沢山のドラマが生まれます。商品の顔とも言える部分でありながら捨てられる、そんな葛藤を抱えながらもクラフト紙を採用したこだわりを感じ取ってもらえると嬉しいです。
価値あるものを意味あるものに。「バターのいとこ」
無脂肪乳からつくったミルク感たっぷりのジャムを、バターの香りが豊かなゴーフル(ワッフル)でサンドした、栃木・那須のしあわせ新銘菓「バターのいとこ」。
「バターのいとこ」という商品名は、バターを作る際に牛乳から分離して残った無脂肪乳からできていることに由来しています。しかし、バターは牛乳から4%しか採れない貴重なものです。その残りのほとんど(約90%)が無脂肪乳となり、脱脂粉乳として安価に販売されています。とはいえ、無脂肪乳になっても元は同じ牛乳として大切に生産されたもの。だからこそ安価に脱脂粉乳として販売されてしまっては、採算が合わず安定した牛乳の生産が難しくなってしまいます。
そんな想いから残った牛乳を利用して作られたのが「バターのいとこ」です。生産者も安心しておいしい牛乳とバターを作ることができ、お菓子を作ることで新たな地元雇用も生まれる、観光客も嬉しい、三方よしの商品となりました。
しかしオリジナルパッケージ.comでは、クラフトパッケージを採用した環境にも優しい四方よしであると思います!「みんなに優しい」そんな想いがこもった商品だからこそ、クラフト紙の持つ優しい雰囲気と、脱プラの環境配慮がパッケージから伝わってきます。また、具体的な数値を載せたデザインもアピール力がありながらお洒落でいいなと思いました。
スナック菓子の王道、ポテトチップスまでクラフトパッケージに!
スナック菓子の王道、ポテトチップス。アルミパッケージが大定番ですが、まさかのクラフトパッケージになっていました! 味も「花藻塩」と「深みしょうゆ」と、これまでにない優しい味わいで、ポテトも皮付きのまま作られています。元々素材を活かした商品ではありますが、原料表示までもがわかりやすくシンプルな「クリーンラベル」になっていました。さすが大手、抜かりないですね。
クラフトパッケージにしたことで、これまでのジャンクなイメージを一新させる、斬新なデザインと内容変更だと思います。健康志向からスナック菓子の需要も下がりつつある今、消費者への想いやりが形になったパッケージだと思いました。
ちなみにカルビーでは、かっぱえびせんも「クラフトテイストかっぱえびせん」として、クラフトパッケージの商品が2021年から全国のコンビニを中心に販売されています。
チョコレートの革命児「明治 THE Chocolate」
発売当初、パケ買いとしても話題になり、大ヒットした明治THE Chocolate。2014年の販売当初からパッケージにはクラフト紙が使われています。
その理由はカカオの生産地です。カカオの生産労働環境が悪いことは知られていますが、明治では持続化可能なカカオづくりを目指し、2009年からプロジェクトをスタートさせました。この商品の販売は2014年ですが、販売の約5年も前からサスティナビリティカカオ作りに取り組み、いち早くSDGsを実現していたことになります。
そんな明治の想いは、クラフト紙のパッケージとなって表現されました。
今ではよく見るクラフトパッケージですが、販売当初は「パケ買い」と言われるほど、クラフト紙がパッケージとしてお洒落に使用されることは珍しかったのです。デザイン性はもちろん、クラフト紙が持つエコなイメージとSDGsへ取り組みが私たちに伝わった結果、このチョコレートは大ヒットしました。
そして今、4ヵ国だった明治のサスティナビリティカカオの生産は8ヵ国にまで広がりました。明治は2026年までにその8ヵ国に更なる支援をする目標を掲げ、カカオ生産からSDGsに取り組んでいます。
こういった企業努力の背景を思うと、本当にパッケージの力を感じますね!
チョコレート繋がりでご紹介させていただきますが、オリジナルパッケージ.comでは、Bean to Barという取り組みをしているチョコリコ様のパッケージをお手伝いしております。こちらも熱い想いを持って取り組まれているので、重なるものがありました。
まとめ
いかがでしたか?
企業は商品の中身の説明はしっかりとしますが、パッケージに込めた想いまでは多くを語りません。しかしパッケージを作る目線から想像してみると、パッケージから商品のイメージを作ったり、表現しようとするブランディングも込められていることがよくわかりますね。
お洒落なデザインはパッケージと切っても切り離せない部分ですが、私たちにどのような想いを伝えたくてクラフト紙を使っているのか考えて商品を選んでみると、また違った視点があります。パッケージとしての役目を終えた後も、なんだか捨てるのが名残り惜しくなってしまいそうですが、きちんと分別して本当に環境問題にも取り組めるように一人ひとりが気をつけて行けるようにしましょう。
オリジナルパッケージ.comでは、クラフト紙を使用したパッケージから、クラフトライク(印刷でクラフト紙を表現しています)なパッケージまで幅広く取り扱いがあります。お気軽にお問合せくださいね!