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リサイクルしたくてもできない?! 紙の食品パッケージの秘密

パッケージのデザインはプリントだけでなく、異素材を組み合わせて様々な風合いを表現できるようになりました。近年はSDGsの意識も高まり、紙のパッケージが人気を得ています。特に食品業界では、紙が使える場面は限られていたため、新たなパッケージとして注目されています。

しかしこの紙パッケージ、SDGsの取り組みから脱プラスチック(以下脱プラ)を掲げているにも関わらず、実はゴミ問題に大きく関係していることをご存知でしょうか。

今回はそんなリサイクルできない紙パッケージの秘密に迫ります。

ゴミの多くがパッケージという悲しい事実

海岸に落ちたプラスチックごみ

環境問題で最も取り上げられるのが海洋プラスチックゴミです。日本では1970年代からプラスチック製品の製造が始まり、現代まで多くの製品が作られてきました。しかしプラスチックのリサイクル率はたった20%。残りは全て焼却され、その際に出る二酸化炭素や有害物質は地球環境に大きな影響を及ぼしています。

また、これらにカウントされない海洋プラスチックゴミは国連環境計画(UNEP)によると、少なくとも7500万トン~2億トンもあり、さらに年間1100万トン流れ込んでいる状態です。そして悲しいことに、そのゴミの約半分はパッケージです。

食品のおいしさや安心・安全を守り、消費者の元に届けるという大事な役割を持つパッケージですが、その役目を終えた途端ゴミになります。食品に限らず全ての商品のパッケージで言えることですが、小さな袋などは海洋生物に誤って食べられることもあり、深刻な問題をもたらしています。

紙パッケージは本当に環境に優しいの?

大量の木材と焼却炉

このような背景と、限りある石油資源、地球環境を守るために世界規模でSDGsに取り組んでいます。その施策のひとつとしてパッケージの紙製品化が進んでいます。

確かに紙を代替品とするとプラスチックの使用量は減ります。しかし、お菓子などの食品を取り扱う場合、多くはラミネート技術を使って内袋に機能性を持たせるための加工をしています。

実はこれ、環境には優しくありません。ただの紙袋や紙箱、プラスチックのみの袋であれば、それぞれリサイクルに回せますが、異素材が組み合わせられると分別ができないため、全てリサイクルできないゴミになってしまうのです。

ここからはそんな紙パッケージが環境にどんな影響をもたらしているのか見ていきましょう。

日本が行っている、森林を守る取り組み

紙の使用で最も大きな問題が森林伐採です。再生紙は印刷時のインクなど様々な混合物が入っています。そのため、再生紙だけで新たな紙を作ることは難しく、新しく森林から木を伐採し、ある程度新しい素材を一緒に使っています。

再生紙にはどのくらいリサイクルされたのかわかるように、下記のマークが使用されています。

再生紙マーク
画像引用元:3R活動推進フォーラム 公式HP(https://3r-forum.jp/)

こちらのマークはパッケージに限らず、ノートなど様々なところで目にすることができます。数字が大きくなればなるほど、再生紙の割合が多くなります。紙の使用方法によって割合は変わりますが、環境を意識するという部分で、注目してみると多くの紙製品が再生されていることがわかります。

FSCマーク
引用元:FCS Japan 公式HP(https://jp.fsc.org/jp-ja)

また、これらのマークと一緒によくみられるのがFSCマークです。これは持続可能な森林保持のための運動がされている森林から新たに木を伐採したものを使用したことを示すマークです。

FSCの森林管理の取り組みは素晴らしく、環境保全のために人が力を尽くしていることは確かです。ですが、だからと言って木の成長スピードは変わりません。伐採するのは一瞬ですが、伐採できる大きさの木に育てることは容易ではありません。

限りある資源を大切に使うためにも、正しく分別してリサイクルに回す取り組みを、パッケージやお菓子づくりをしている私たちが積極的に行っていきたいですね。

オリジナルパッケージ.comの環境への取り組み

パッケージは汚れや衝撃など、様々な外的要因から安心してお客様に商品を届けるために必要不可欠です。その一方で、パッケージに使われるプラスチックや紙などの原料は年々値上がりしています。パッケージの世界では1円、2円でも変動があると大きな差になります。

だからこそ、商品を運ぶ外装に使われる段ボールや手提げ袋など、繰り返し使えるものは1度ではなく、何度も使ってみてもいいのではないでしょうか。

商品が直接触れるものは、繰り返し使うことは難しくても、使用後にリサイクルしてもらうことを考えたパッケージづくりをしてみるのもいいでしょう。

オリジナルパッケージ.comでは、リサイクルを考えた「クラフト紙ライク」、「和紙ライク」なプラスチックのパッケージも取り扱っています。

一方で、インクは少しでも石油を使わないように、植物由来の資源を原料の一部に使用して製造したバイオマスインキを使用しました。

『KSTクラフト紙柄チャック付スタンド袋』の一覧ページはこちら
『WST白紙柄チャック付スタンド袋 』の一覧ページはこちら

このパッケージに込めた想いはこちらで詳しく紹介しています。

食品の紙パッケージは、これまでになかった斬新さもあります。しかし、なぜこれまで使用できなかったものが使用できるようになったのか、その背景を知ることで少し考え方や選択肢が変わるかもしれません。

紙とプラスチックのどちらがいいというわけではなく、きちんと理解した上で、それぞれの特性を活かしたパッケージ作りができるといいですね。

私たちが今日からできること

様々なSDGsの取り組みがある今日ですが、脱プラという目の前の問題だけを片付けるのではなく、限りある資源を繰り返し使うことが重要だと考えています。一人ひとりが使用後のパッケージをきちんと分別することで、再生資源の不純物が減り、品質が改善されていきます。

異素材を組み合わせるラミネート技術の進歩は素晴らしいですが、パッケージを地球に捨てるのではなく、地球に「還す」意識を持って製作することも考えてみてください。

オリジナルパッケージ.comでは、そんな環境へのこだわりも含めて形にできるパッケージのオリジナル製作も承っております。

環境を考えた紙やインクについての疑問なども、お気軽にお問合せください。

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